「普段の自分で振舞えない・・・」
「と、思えば思うほど、考えれば考えるほど焦りが・・・」
「どうすれば!?」
人前で話すとき。面接のとき。緊張が襲ってきたらどうしてますか?
緊張してどうにもならない・・・
普段通りの自分じゃない・・・
と悩む人は多いと思います。
今回、人はなぜ緊張するのか?そのメカニズムと対策について書きました。
根本原因を知って、本番に強い人になってください!
人が緊張する原因(メカニズム)は??
緊張は身を守るための防衛本能?
汗や筋肉の緊張
緊張すると、身体に反応が出ますよね。
汗をかいたり力が入ったり。
これには、ちゃんとした理由があるんです。
神経伝達物質「ノルアドレナリン」
人が緊張すると、脳がストレスを感じます。
体内でノルアドレナリンが分泌されます。
これは、ストレスに反応して出てくる神経伝達物質です。
実は、このノルアドレナリンが、緊張したとき身体に起こるさまざまな症状の原因だったんです。
以下はノルアドレナリンが原因で起きる症状や作用の一部。
- 心拍数が上がる
- 消化器系の活動が抑制(排泄が抑えられる)
- 瞳孔が開く
- 痛覚を遮断
- 集中力・判断力・注意力の向上
- 筋肉の機能向上
まさに、緊張したときに出る症状ですね。
緊張することのメリット
しかしなぜ、緊張するとこんな症状が起こるのでしょうか?
これにもちゃんとした理由があります。
メリット1:身を守る
それは、大昔から人間に備わっている防衛本能です。
緊張とは、外敵から身を守るための準備なんです。
危険を察知した脳が、体中に指令を出しているんです。
つまり、緊張とは、人としての機能が正常に働いている。と言えます。
メリット2:ノルアドレナリンはやる気のもと
ノルアドレナリンの役割
緊張は正常な反応ということがわかりました。
さらに、緊張のもとであるノルアドレナリンは「やる気」や「集中力」を増す効果もあります。
これも、身の危険を守る際に必要なことですね。
バランスが大事
しかし、ノルアドレナリンの分泌がずっと続くと、心の状態が不安定になり、「イライラ」や「恐怖」につながります。
逆に、ノルアドレナリンが少なすぎると、やる気が無くなり緊張感のないダメ人間になってしまいます。
アドレナリンは「闘争(か逃走)」ホルモン
アドレナリンは別名「ファイト・オア・フライト(闘争(か逃走))」と言われます。
つまり、僕らが緊張しているとき脳は、戦闘状態になっていると言うことです。
これをどう解釈すればいいのでしょうか?
緊張しない人はいるのか?
松坂投手が人生で初めて緊張した瞬間
平成の化物と言われ、ドラフト1位で西武に入団した松坂投手。彼は、これまでメジャーリーグの大舞台でも一度も緊張をしたことがないそうです。
高校時代の同級生、日本テレビの上重アナウンサーがこう聞きました。
「松坂くんは緊張するの?」
「しないよ。普通に投げれば、おさえられるから」
と淡々と語ったそうです。
どうすれば、こんなタフなマインドを手に入れられるのでしょうか?
人生初めての緊張した瞬間
しかし、そんな松坂投手が初めて緊張したときの話しがあります。
それは、メジャーから帰ってきて、ケガに悩まされ9年ぶりに日本リーグに復帰。
ホークスに入団し、久しぶりの日本のマウンドに立った時のことをこう語っています。
「その時初めて緊張し、頭が真っ白になって自分が何してるか分からなくなった」
そう語っています。
そして、その原因をこう続けています。
- 試合から遠ざかっていた
- 予想していないほどの球場の盛り上がりで、響き渡る歓声を聞いたときに体がフワっとしましたね
- 自分が普通じゃないって思っていたし、いろいろ不安要素が多すぎたのが原因
- 自信を持ってマウンドに上がっていなかった
全く緊張しない人なんていない
高校時代、松坂選手は緊張していないと言いました。
本当に緊張していなかったのでしょうか?
つまり、当時マウンドに立ったとき、彼の中でノルアドレナリンは分泌されていなかったのか?
ということです。
松坂選手が「人」であるなら、そんなことはありません。
戦闘モードでこそ、ノルアドレナリンは活躍します。
つまり、決して緊張していなかったわけではないんです。
ほどよい緊張があり、うまくバランスを保っていたんです。
きっと、「★」3つか1つあたりだと思います。
心境 | 緊張度合 |
「どうにもならない」 | ★★★★★ |
「何とかしなければ」 | ★★★★ |
「何とかなりそう」 | ★★★ |
「何とかできる」 | ★★ |
「俺に任せろ」 | ★ |
「どうとでもできる」 | 完全リラックス |
当時の松坂選手はもしかすると「リラックス」した状態で、あのパフォーマンスだった。だから「人」ではなく「怪物」と言われたのかもしれません。
何がベースにあればいいのか?
セルフイメージ
失敗を恐れるのは皆、同じです。
しかし、命を賭した戦闘をするわけではありません。
心が過剰に反応しているだけなんです。では、どうやれば緊張を自分の従者にできるのか?
それは、良いセルフイメージの構築。これ以外にありません。
松坂選手は、「普通に投げれば抑えられる」という、「自分が自分に持っているイメージ」が、心の中にベースとしてありました。
一度このイメージが出来上がれば、松坂選手にとっては、日本リーグもメジャーリーグもいつもと変わらない日常の風景だったんです。
しかし、そのセルフイメージが崩れたとき、「不安」が勝り、人生で初めての緊張を体験しました。
成功体験
では、松坂選手はどうやって、セルフイメージを構築したのでしょうか?
練習と試合の経験。これ以外ありません。
イメージトレーニングという言葉もありますが、それも全て実践があってこそです。
反復練習を何度も行い、試合でそれを実践する。失敗を経験し、改善していく。
こうしたことを誰よりも多く経験をしたはずです。
練習や試合の中で、うまくいったりいかなかったり、周囲からの好評価だったり悪評だったり、楽しかったり悔しかったり、勝ったり負けたり。
ときにツライ思いをしながら、良くも悪くも大小様々な成功体験をコツコツと経験してきたはずです。
こうした、実践、行動以外に成功体験を積む方法はありません。
覚悟
しかし、一回限りの人生の中では、野球の試合のように何度も練習が出来て、何度もチャレンジできることばかりではありません。
人生において貴重で重要な体験は、慣れようがなく緊張して当たり前です。
そんなときに使う「当たって砕けろ」という覚悟の決め方があります。
が、大事なのは「主体を自分に置く」ことです。
- 「失敗する」か「失敗してやる」か
- 「笑われる」か「笑わせる」か
- 「怒られる」か「怒らせる」か
- 「当たって砕けろ」か「当たって砕け」か
これらは、同じような意味ですが、似て非なるもの。
開き直りのようにも聞こえますが、僕はそれもありと思います。
その場をコントロールするできる人、周りを巻き込む力がある人は少なからずこうした部分を持ち合わせています。
怒られるのが怖いなら怒らせてみましょう!
もし、何かに失敗して誰かがあなたを否定したとしても、その言葉を受け入れるか、受け入れないかを決めるのはあなたです。
誰になんと言われようとも、自分で自分を否定しない限り、あなた中でセルフイメージが崩れることはありません。
緊張する人の特徴「責任感」
緊張を克服できない人の特徴は、責任感が強いという特徴があるようです。
責任感が強い為、「失敗できない」というプレッシャーを感じるようです。
そんなあなたは、負け方、恥のかき方を知る必要があるかもしれません。
失敗している自分、恥をかいてる自分を想像してみてください。
笑えますか?
笑えませんか?じゃあまだダメです。
「ぷっ」と周囲を笑わせるぐらいのシナリオを考えてみてください。
そして、そんな自分を周囲と一緒に笑ってやりましょう。
負けるという選択肢
柔道は受け身から練習するそうです。
投げられる練習。つまり、負ける練習から始めます。
ずっと勝ち続けるなんてありません。
大事なのは負けた時です。
負ける練習も必要なんです。
負ける、失敗するということが、成功と同じ選択肢の中にあるとすれば、こんなに気楽なことはありません。
僕はスマホの14時のアラームにこういうメッセージを入れています。
「うまくいかない方法を探しているだけ」
ヨガから学ぶ呼吸法
ノルアドレナリンを抑える物質セトロニン
セロトニンとは?
1980年代以降の世界の精神医学研究はセロトニンを中心に進められてきた、といっても過言ではないほどの重要な神経伝達物質です。
脳内ホルモンとして有名なセロトニンですが、全身のセロトニンのうち、90%は小腸、8%は血液中の血小板に分布しており、「脳にはわずか2%」が存在するに過ぎません。
この微量のセロトニンが、心の健康に深く関係していて、「幸福感、不安の軽減、感情コントロール、食欲のコントロール」など、さまざまな役割を担っています。不足するとネガティブ思考が増え、不安になったり、訳もなく悲しくなったりします(悲哀感)。
中略
また、セロトニンは、後述のノルアドレナリン・ドーパミンの過剰放出を抑えることで精神のバランスを正常に保つ調整役も果たしています。
セロトニンセロトニンの分泌方法
このセロトニンはどうすれば分泌されるのか?
その方法は、実はすごく簡単で、「ほっ」とすることです。
気を緩めるということですね。深呼吸をしたりしてリラックスすることで分泌されます。
僕がいつもやる方法はヨガから学びました。
- 7秒数えながら、鼻から息をゆっくり吸って7秒間息を止めます。
- 息を止めている間、心臓の音を体内で感じます。
- 心臓の音が徐々にゆっくりになっていくのを感じます。
- この時点で気持ちが落ち着いてきます。
- 口先を細め、14秒数えながら体の力を抜いてゆ~~っくり吐きます。
- 一度呼吸を整えます。
- これを2~3回ぐらい繰り返します。
そうすると、体全体を血液が循環するのを感じます。
筋肉が緩みリラックスが出来ます。
寝る前にやると寝つきがよくなります。一度試してみてください。
ヨガについて、ほんの少し勉強したことがあります。
それまでは、ストレッチしてデトックス的な感じでした捉えてなかったんですが、ある本を読んでヨガの見方がガラリと変わりました。
僕の解釈では、ヨガとは「無意識のコントロール」する学問という認識です。
昔の人は、強烈な怒りのことを「はらわたが煮えくり返る」と言います。実はこれノルアドレナリンのことなんですが、それを抑えるセロトニンは腸内にあります。
腸などの内臓は無意識下で動いているのでコントロールできません。
怒りや悲しみ、緊張も実は、無意識のもとで生まれてきます。
ヨガは、人の臓器の中で唯一意識的に動かせる「肺」を使うことで、全ての臓器へアプローチ、「無意識をコントロール」する方法なんです。
以下の記事で、ヨガのおすすめの本をご紹介しています。
サプリでセロトニンを摂取
スーパーマルチビタミン&ミネラル
セロトニンは食事で摂取することが難しいようですが、サプリが販売されています。ぜひ一度試してみてください。
達成感でセロトニンを分泌
仕事とプライベートを分ける
セロトニンは何かを達成したときにも分泌されます。
何かをやり終えたときの安心感や安堵感、充実感を感じているときです。
- 週一回ランニングして達成感を味わう
- 週に一回の休みは充実できる予定を立てて思いっきり楽しむ
- やりたいことをやる
つまり、楽しむということです。
あまり、関係ないように思うかもしれませんが、僕はこれが一番重要だと思います。
仕事そっちのけで、プライベートが充実している人っていますよね。
定時になると絶対残業せずに帰る人とか、仕事より、趣味に生きてる人。
そういう人って、いっけん周囲からすると「いいかげんな奴」と判断されているかもしれませんが、それはそれで楽しい人生なのかもしれません。
まぁ。何ごともバランスが大事です。
では、今回は以上です!
コメント
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