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政策金利とは?政策金利が世に及ぼす影響を世界一分かりやすく噛み砕いて解説!

政策金利とダムの放流リスクと経済の予想

政策金利とは、日銀が景気政策の際に使う金利のことです。そして、この政策金利が景気刺激策の中でもっともインパクトが大きいものでもあります。

日本だけじゃなく多くの国々(G20など)も自国の経済状況の良し悪しに合わせ同じように金利調整によって景気をコントロールしようとします。

この政策金利を理解すれば、世界の経済の流れが理解できます。

では、その政策金利を調整するとどういったことが起こるのか?イメージで言うとダムに溜まった水を放流するのと似ているかもしれません。

流れを見ていきましょう。

経済は様々な要因で影響を受けます。ひとつの記事では書き切れるものではなく、このページでは、政策金利や金融政策に対して初めて疑問を持った方が、まずはざっくり理解するための解説になっています。

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政策金利の影響【理想シナリオ】

日銀が描く理想のシナリオ

まずは、日銀と政府が描く理想のシナリオを基準として見てみましょう。

1:金利政策を行うきっかけ

日銀

「よし!景気を良くするぞ!」

日銀は、景気を良くする狙いで金利を調整(景気刺激・循環)します。

逆に、景気が過熱し過ぎるとバブルが形成する恐れがあるので、慎重な調整が必要です。

イメージで言うと蛇口のような役目です。

  • 金利を上げる=蛇口を締める
    ⇒お金が世の中に出回りません。
  • 金利を下げる=蛇口を緩める
    ⇒お金が世の中に出回ります。
金利政策のきっかけ

国内の消費不振、デフレ(物価下落)、企業活動の鈍化、株価下落etc

他にも様々ですが、こういったことが考えられます。

2:金利を下げる狙い

日銀

「企業のみなさん!金利下げるからお金借りてね!」

利息は金利に応じて下がりますので、預金してもお金が増えにくくなります。

一方で利息が下がれば、お金は借りやすくなります。

銀行の銀行

日銀は民間の銀行にお金を貸します。このときの金利を調整するのが金利政策です。

銀行は日銀から借りたお金を企業に貸しますので、自ずと企業が借りる際の金利も下がります。

3:シャンパンタワーのようにお金が浸透し始める

企業

「よし!先行投資して事業拡大しよう!」

金利が下がり資金調達コストが安くなれば、企業活動が活発になります。

借りたお金は工場建設や仕入れなどの外注先に流れ、さらに、その先の企業にも流れていきます。

少し遅れて僕らの給料や、ボーナスにも影響が出始め、最後には消費が増えることとなります。

シャンパンタワーのように上から注がれたシャンパンはいずれ全てのグラスを満たす。そういった狙いがあり、これを景気循環と言います。

4:「株価」への影響

投資家

「お?この会社工場を新たに建設してる。株価上がりそうだな。買っとくか!」

企業は、将来得られる利益を見越し先行投資を行います。

つまり、企業の先行投資は、投資家からすると買いの材料となり、その企業の株は買われ、株価に反映し始めます。

5:「為替」への影響

海外投資家

「あれ?日本の金利下がってんじゃん!円を持っててもしゃーねーな。売るか。」

金利が下がるということは国際的に見れば、利息の付かない円を持っていてもメリットがないと見られるということです。

為替市場では円の売り材料になります。

6:「貿易」への影響

日本の輸出企業

「お!円安で輸出品を安く売れるぜ!」

一方で輸出企業は円安によってモノを安く提供できます。

国際的な価格競争力を手に入れ売上が上がるというメリットがあります。

貿易摩擦

かつて、海外で日本企業の車が焼かれたりするニュースがありました。

日本が国際的な価格競争力をお持つと他国の商品が売れなくなります。

国内の企業同士で起こる分は自由競争の原理ですが、国と国との間で起こるとしばしば国際問題になったりします。

7:「給与・ボーナス」への影響

企業

「今期は売上も利益も上がったしボーナスを上げるか!」

先行投資が実り、利益の回収が始まると、その利益は株主や従業員の給与にも反映されます。利益の配分です。

8:「消費活動」への影響

消費者

「おお!ボーナス上がった!ちょっと外食増やすか!」

僕らは本来、消費することが大好きです。

収入が増えれば当然、財布のひもは緩み消費活動が活発に行われます。

その買い物で払ったお金はまた企業の利益となっていきます。

9:③に戻って企業活動そして緩やかな物価上昇

企業

「よし!将来に向けて付加価値の高い商品開発をしよう!」

得られた利益はさらに企業の新商品や技術開発に再投資されます。

好景気による物価上昇

そして、景気刺激策がうまくいくと景気の過熱を抑える為、日銀は金利を上げて(金利引締め)調整します。

さらに、景気によって上がった人件費(給与)や、金利上昇によって上がった資金調達コストは、モノ・サービスの価格に適正に反映され緩やかな物価上昇が起こります。

10:生きがいのある国へ

従業員(消費者)

「また美味しいもん食べる為に頑張るぞー!」

ここまでのおさらい

  1. 金利を下げる
  2. 資金調達がしやすくなる
  3. 企業活動が活発になる
  4. 会社が儲かる
  5. 株価が上がる
  6. 国の税収も増える
  7. 円安になり株価がさらに上がる
  8. 給与が上がる
  9. 物価も上がる
  10. 金利が多少上がる
  11. 利息が増える
  12. 資金調達コストが少し上がる
  13. また物価が少し上がる
  14. 同時に給与も上がる
  15. モノ・サービスはさらに売れる

これが、おおむね理想のシナリオです。

かつての高度経済成長期の日本のようです。

物価が上がるのは、あまり嬉しいことではないかもしれません。

でも、給料も同時に上がっていけば物価上昇も苦にはなりません。

今の日本の問題は、かつての高度経済成長期のような好景気による物価上昇ができないことです。

これが【実際のシナリオ】

これが金利政策の現実

しかし、実際には理想通りにはいきません。

金利が下がれば預金のメリットが薄れるなど、「光と影」は必ず存在します。

さじ加減がとても難しいのです。

金利による景気政策はやってない

ここまで政策金利の話しをしてきましたが、実は現時点で日銀は金利のコントロールによる景気政策はやっていません。

「やっていない」というか、やれなくなったと言った方が正しいかもしれません(後述)。

では、現在はどうやっているのか?

お金をじゃんじゃん刷ってお金の量を増やそうぜ(国債発行)!

ということをしています。これを量的緩和と言います。

量的・質的緩和

現在(安倍政権下)ではさらに、株式市場にお金を放出しています。

ETFという株式のように売買可能な投資信託を買い入れています。

その狙いについて、今回は割愛します。

では、その結果どういったことが起こったか、現実のシナリオを見ていきましょう。

プロローグ:日本を襲った「グローバル」という津波

バブル崩壊

日本:「やばっ!土地も株も大暴落してもうた!!」

アメリカ:「金融緩和してグローバルにせんと日本の企業助からんよマジで」

日本:「マジすか?いやでもマジっすか?もしかして仕組んでません?」

アメリカ:「手差し伸べてやりよーだけやん」

バブル崩壊後の日本の経済状況は、戦後の焼け野原のような状態でした。

そこに、「日本の市場を開放しろ」と言わんばかりに、自由化の波が押し寄せ、金融業界のあらゆる垣根が取っ払われていきます。

これが俗に言う金融ビッグバンです。

1:政策金利で舵を取れなくなる

日銀

「やべっ 金利の操作できん(;’∀’)どうしよ。。。」

バブル崩壊、まさに金利政策の出番です。しかし・・・

金融ビッグバン以前、日銀が民間銀行にお金を貸すときの金利(公定歩合)と、民間銀行が融資を行う際の金利は連動していました。

日銀はこの仕組みを用いて世の中の金利を操作していました。

が、

金利の自由化により、舵取りが出来なくなったんです(連動しなくなった為)。

2:次なる手段は手術!?

日銀:「よし!手術(買いオペ・売りオペ)を始める!」

大門未知子:「私、失敗しないので」

日銀:「先生お願いします!」

売りオペ・買いオペ

次なる手段として、民間銀行同士の貸し借りの金利(無担保コール翌日物と言い、現在、国際的に日本の政策金利と言えるもの)を誘導する方法に取り掛かります。

実際にどうやって誘導するのかと言うと、銀行間で行われる資金の貸し借りの需給バランスをコントロールするのです。

具体的には・・・

「お金貸して!」という銀行が多いと>>日銀が貸して金利を抑える

これを、公開市場操作(オペレーション)と言います(手術ではない)。

こうしてバランスを計ることで金利(無担保コール翌日物)をなるべく低く、または「ゼロ」に保つように調整をしていました(これを、ゼロ金利政策と言う)。

3:金利をゼロにしても、何をやっても効果なし!お手上げ!

グローバル化に振り回される日本

バブルが崩壊してから安倍政権が誕生するまで、いくつかの金融政策が行われますが、「焼け石に水」

これといった効果ものなく日本はデフレから抜け出す気配はありませんでした。

その間、色んなことがおきました。

  • 企業:「いつまで価格競争続くの?利益低いし、こんな状況じゃ先行投資もできない」
  • 若者:「大学出ても就職できん、就職しても給料少ない、将来、年金も貰えない、とにかくお金は使わず貯めよ」
  • 民間銀行:「自由化で色々できるようになったけど、本業の金貸しの方が・・・貸す企業がいない」
  • 投資家:「日本やばいな。日本株売ったが良さそう」
  • 海外投資家:「サブプライム落ち着くまで、とりあえず安心な円に換えとくか」
  • 海外投資家:「あれ?金利の安い円を借りて、金利の高い国に預ければそれだけで儲かるじゃん!(円キャリートレード)」
  • 主婦:「FXってやつでがっつり儲かっちゃった!」

金融ビッグバンによって、銀行は合併統合。

金融業界はガラリと変貌を遂げましたが、日本の景気は何をやっても上向きません。

先進国ではありえないほどの低金利が続き、モノは売れず物価は下落。

企業の収益は圧迫。倒産も増え失業者も増えました。

これがデフレ。見事な景気の悪循環です。

通常、金利が低く、経済状況が不安定であれば、その国自体の価値は下がり、同時に通貨価値も下がるはずです。

しかし、リーマンショック以降は世界的な金融不安に覆われ、行き場を失ったお金は、国際的に安全資産と言われる「円」に流れ込み、円は史上最高値を記録します。

また、グローバル化はお金の国境をなくしました。

円キャリートレードという取引も生まれ、世界をまたにかけたマネーゲーム化に、日本は翻弄されているようでした。

金融ビッグバンは一体だれのためのものだったのでしょうか。

5:アベノミクス!

安倍晋三

「俺に任せろ!」

安倍政権が誕生してから、それまでとは次元の違う金融政策が始まりました。安倍政権が誕生する2012年までの間、

  • 米国同時多発テロ
  • ITバブル崩壊
  • 東日本大震災
  • リーマンショック

などがあり、この間の日経平均は18,000円台から8,000円台まで下がります。

しかし、安倍政権が誕生してから現在まで株価は22,000円台にまで回復。

どうやってこの現実を作ったのでしょうか?

6:量的・質的緩和(黒田バズーカ砲 )

黒田日銀総裁

「俺にもやらせろ!」

金融政策の新ステージ

黒田日銀総裁:「世の中のお金の量(マネタリーベース)ば今の倍にしちゃろう!

俺がデフレも終わらせちゃろう!物価ば、上手に上げちゃらないかんやろね!(2%)

ほいで、企業ば元気にして給料も上がてもろうてバンバン消費すりゃあよかろうもん!」

ゼロ金利をやっても、量的緩和を行っても、何やっても景気が上向かない。

日銀も政府もどうすれば良いのか分からず手をこまねいていました。

そして、金融政策は新しいステージを迎えます。

日銀が行った政策は「量」に「質」を加えた「量的・質的緩和」でした。

日銀:「80兆円ぐらいお金バラ撒きまーす!(量的緩和)

さらに、国債だけじゃなく、株式市場に直でバラ撒まきまーす!(質的緩和)

民間銀行諸君!バラ撒いたお金でバンバン融資しないと、逆にお金を取りまーす!(マイナス金利政策)」

日銀総裁が黒田さんという事もあり、この政策を「黒田バズーカ砲」と呼ぶようになりました。

そのぐらいインパクトがあった政策とも言えます。

7:「株価」への影響

投資家(海外含む)

「アベノミクスってマジ?日本株、買うしかないっしょ!」

「アベノミクスの3本の矢」ひとつが「強い経済」です。

日銀と政府は手を組むように金融政策を進めます。

日銀はETF(上場投資信託)を年間3兆円分。

J-REIT(不動産投資信託)を年間900億円分、市場から直接買い付けることを発表します。

まずこれに反応したのが国内外の投資家でした。

これによって、日経平均株価は一気に20,000円台に向けて駆け上がっていきます。

8:「為替」への影響

海外投資家

「お!日本の金利がマイナス!そろそろ円を売るか?

まてよ、金利がマイナスなら円を借りて、それでドル買えば(円を売る)金利差で儲かるじゃん!(円キャリートレード)

おお!さらにそれでアベノミクスによる株高に乗って儲けよう!」

こうした動きから、今度は円が売られ円安方向へと進みました。

9:「円安による貿易」への影響

輸出企業:「国際的に価格競争力が上がって業績好調だぜ!(*’▽’)」

輸入企業:「円安によって仕入値が高くなって業績が苦しい(;’∀’)」

円安倒産

「日本は輸出企業が多いから円安が良い」と言われますが、誤解している人が多いようです。

確かに、日経平均に影響を与えるような企業。

つまり、東証一部に上場している企業には輸入企業が多いです。

しかし、日経平均は225社しかありません。ほんの一部です。

そもそも、日本は輸入企業の方が多いのです。理由は、日本自体が輸入大国だからです。

日本は資源が乏しく、食料自給率は40%程度。

エネルギー自給率は、ほんの8%。喫茶店の珈琲は当然輸入ですし、ガソリンも輸入。電気を作る火力発電のエネルギーも全て輸入。

円の価値が下がれば輸入コストは上がり物価上昇になります。

円安は、企業の仕入れコストを押し上げます。

しかし、仕入れコストを価格に転嫁しても、デフレのもとでは競合する企業に客を持っていかれるだけです。

円安は、予期せぬ物価上昇を起こし、この時の円安は「円安倒産」という言葉を生んだほど、企業に大きなダメージを与えました。

10:「給与・ボーナス」への影響

企業

「ん~ リーマンショック以降、リストラ、コスト削減でなんとかなったけど、また同じようなことがあると、今、人件費を上げるのはな~。

でも、株主にはちゃんと対応しておかないと(株主配当)。

それと、またリーマンみたいなことがあったときの為に貯金しとかないとね(内部留保)」

分配されない利益

リーマンショック以降、新聞やニュースでは、「過去最高益!」など、踊るニュースを見るようになりました。

景気回復も高度経済成長期の「いざなぎ景気」を越え戦後2番目の長さになったと言います。

が、景気が良くなったという実感は全くありません。

では、そのお金はどこに行ったのか?

企業は、国内の需要の成長にかげりを感じ海外へ投資、株主へ配当。

そして、リーマンショックの後遺症から内部留保(家庭で言う緊急予備資金)に回し、その利益がボーナスや給与に回るまでに至りませんでした。

11:「消費活動」への影響

消費者

「景気良くなったって言うけど、どこが??」

80兆円ものバラ撒かれたお金は、シャンパンタワーのように末端まで行き渡ることはありませんでした。

投資家(株主)と企業の内部留保までは行き渡りましたが、給与にまでは届きませんでした。

戦後の焼け野原から不死鳥の様に蘇った日本の成長シナリオは、成熟しきった現代ではうまく機能しなかったようです。

これが、実際のシナリオです。

もっともっとこのあたりの話しを書きたいのですが、今回はここまでにしておきます。

まずは、政策金利がどういったものか?ざっくりでもご理解頂けたら幸いです。では、今回は以上です。

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